なぜ甘いものを食べると虫歯になるのか? 歯科衛生士が解説!食事と虫歯の関係

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なぜ甘いものを食べると虫歯になるのか? 歯科衛生士が解説!食事と虫歯の関係

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甘いものを食べると虫歯になる、とよく言われますが、なぜでしょうか?また、同じ甘いものでも虫歯のリスクに違いがあるのでしょうか?

お子様から大人まで、多くの方が甘いものを好みます。しかし、虫歯を予防するためには、甘いものとの正しい付き合い方を知ることが大切です。本記事では、虫歯ができるメカニズムを詳しく解説し、どのような甘いものが虫歯になりやすいのか、また、比較的リスクの低いものは何かについて説明していきます。

食生活が歯や歯茎の健康にどのような影響を与えるのか、正しい知識を身につけ、虫歯を予防するための参考にしてください。

▼虫歯の成り立ちについて

虫歯は「糖質」「歯質」「細菌」「時間」の4つの要素が関係しています。これらがどのように影響し合い、虫歯ができるのかを詳しく見ていきましょう。

◎糖質

甘いものを食べると虫歯になるのは、糖質が関係しています。口の中に糖質が入ると、虫歯の原因となる細菌(ミュータンス菌など)が糖を代謝し、乳酸などの有機酸を作り出します。この酸によって歯の表面のエナメル質が溶けていく現象を「脱灰」といいます。

特に、砂糖(ショ糖)は細菌の代謝によって強力な酸が生成されやすく、虫歯のリスクが非常に高まります。さらに、人工甘味料を含まないジュースや清涼飲料水に含まれる果糖やブドウ糖も同様に酸の生成を助けるため、頻繁な摂取は歯に悪影響を及ぼします。

一方、糖質の摂取量だけでなく、摂取する頻度や食べ方も虫歯の発生リスクに影響します。食後にすぐ歯を磨く習慣を持つことが重要ですが、食事のたびに酸が発生するため、ダラダラと食べるよりも、食事の回数を制限することも大切です。

◎歯質

歯の強さも虫歯の発生に影響します。歯質が強固であるほど、酸による脱灰の影響を受けにくくなり、虫歯になりにくくなります。

歯質の強さは遺伝的要因だけでなく、食生活や生活習慣にも左右されます。特に、幼少期のフッ素摂取やカルシウム、リンといったミネラルの摂取が不十分だと、歯のエナメル質が脆弱になり、虫歯にかかりやすくなります。フッ素はエナメル質の再石灰化を促し、酸に強い歯を作るため、フッ素入りの歯磨き粉やフッ素塗布が効果的です。

◎細菌

虫歯は細菌による感染症の一種です。特にミュータンス菌は糖質を栄養源として活発に活動し、酸を生成することで虫歯を引き起こします。

新生児の口腔内には虫歯菌は存在しませんが、保護者の唾液を介して感染します。親子でスプーンや箸を共有することで細菌が伝播するため、親御様自身の口腔ケアも重要です。

また、虫歯菌の活動を抑えるためには、口腔内の細菌バランスを整えることが大切です。特に乳酸菌を含む食品(ヨーグルトなど)を摂取することで、善玉菌を増やし、虫歯菌の活動を抑制することが期待されます。

◎時間

糖質が口の中に長く留まるほど、虫歯のリスクが高まります。例えば、キャラメルや飴のように長時間口の中に残る食品は、歯を酸にさらす時間が長くなり、虫歯のリスクが上昇します。

また、口腔内のpHが酸性状態に傾く時間が長いほど、脱灰が進行しやすくなります。理想的なのは、食後30分以内に歯を磨くことですが、すぐに歯を磨けない場合は水やお茶で口をすすぐことで、酸を中和し、虫歯のリスクを軽減することができます。

さらに、唾液には自然なpH調整作用があり、虫歯のリスクを軽減する役割を持ちます。ガムを噛んで唾液分泌を促すことも、虫歯予防には有効です。

▼同じ甘いものでも虫歯のリスクがそれぞれ違う?

甘いものはすべて虫歯になりやすいわけではありません。どのような甘いものが虫歯のリスクを高めるのか、分類して解説します。

◎虫歯リスクが高い甘いもの

飴、キャラメル、グミ:口の中に長く留まるため、酸が作られ続ける。
清涼飲料水、スポーツドリンク:糖分が多く、液体なので歯全体に広がりやすい。
ケーキ、クッキー、菓子パン:砂糖が多く、歯に付着しやすい。

◎虫歯リスクがそれほど高くない甘いもの

チョコレート(純度の高いもの):カカオ含有量が多いチョコレートは、歯に残りにくく、ポリフェノールが抗菌作用を持つ。
果物:果糖を含むが、水分が多いため、口の中に糖が残りにくい。
ヨーグルト(無糖):乳酸菌が歯に良い影響を与え、カルシウムが歯質を強化する。

▼虫歯リスクがまったくない甘いもの

キシリトール入りガム:キシリトールは虫歯菌のエネルギーにならず、むしろ菌の活動を抑制する。
シュガーレスキャンディ:糖類を含まないため、虫歯のリスクがない。

▼甘いものとの上手な付き合い方

甘いものは虫歯のリスクを高める一因ではありますが、完全に避ける必要はありません。甘いものには心を満たしたり、エネルギー補給になったりといったメリットもあります。重要なのは、適切な摂取方法を理解し、虫歯リスクを抑えながら楽しむことです。

1. 甘いものを食べるタイミングを工夫する

食事と食事の間に甘いものを頻繁に食べると、口腔内のpHが長時間酸性に傾き、虫歯リスクが高まります。そのため、おやつはできるだけ食事の後にまとめて摂取し、口腔内のpHを長時間低下させないようにしましょう。

また、寝る前に甘いものを食べると、就寝中は唾液の分泌量が減少し、口腔内の自浄作用が弱まるため、虫歯リスクが高まります。甘いものを食べるなら、できるだけ日中にし、夜間は控えるようにするのが理想的です。

2. 甘いものの種類を選ぶ
甘いものの中でも、粘着性が高く口の中に長く残るもの(キャラメルやグミなど)は虫歯リスクが高くなります。一方で、チョコレートや果物は比較的口の中に残りにくいため、リスクが低めです。

さらに、キシリトールを含むガムやキャンディーは、虫歯菌が代謝できないため、虫歯リスクを下げる効果が期待できます。甘いものを選ぶ際には、このようなポイントを意識することで、虫歯のリスクを減らせます。

3. 食べた後のケアを徹底する

甘いものを食べた後は、できるだけ早く口腔内を清潔にすることが重要です。食後に水やお茶を飲むだけでも、口の中の糖分を洗い流し、虫歯のリスクを低減できます。

また、歯磨きをする際にはフッ素入りの歯磨き粉を使用し、正しいブラッシングを行うことが大切です。フッ素はエナメル質の再石灰化を促し、虫歯予防に効果的です。外出先で歯磨きができない場合は、キシリトールガムを噛むのも良い方法です。

4. 生活習慣を整える

口腔内の健康を維持するためには、規則正しい生活習慣が不可欠です。特に、バランスの取れた食事を心がけることで、歯質を強化し、虫歯になりにくい口腔環境を作ることができます。

カルシウムやリンを含む食品(乳製品、小魚など)を摂取することで歯の再石灰化を促し、ビタミンDを摂取することでカルシウムの吸収を助けることができます。また、しっかり噛む習慣をつけることで唾液の分泌が促進され、虫歯予防に効果を発揮します。

甘いものを完全にやめるのではなく、適切に選び、適切なタイミングで摂取することが重要です。日々のケアを徹底しながら、甘いものを楽しむ習慣を身につけましょう。

▼まとめ

甘いものが虫歯の原因となるのは、糖質が細菌によって分解され、酸を作り出すためです。しかし、虫歯は「糖質」「歯質」「細菌」「時間」の4つの要素が関係しており、必ずしも甘いものを食べたらすぐに虫歯になるわけではありません。

また、甘いものの種類によって虫歯のリスクは異なります。飴や清涼飲料水などはリスクが高く、チョコレートや果物は比較的リスクが低いです。さらに、キシリトール入りガムなどは虫歯予防に役立ちます。

甘いものを完全に避けるのは難しいですが、食べる時間や種類を意識し、正しい歯磨き習慣を身につけることで虫歯のリスクを減らすことが可能です。

当院では、お子様から大人まで、患者様のライフスタイルに合った虫歯予防のアドバイスを行っています。虫歯予防について気になることがあれば、お気軽にご相談ください。

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