身体で一番硬い部分
自然界で一番硬いのはダイヤモンド、というのはあまりにも有名ですが、カラダのなかで一番硬いのはどこだか知っていますか?正解は「エナメル質」。歯の一番表面を覆っている部分です。引っ掻き強さ(引っ掻いた時の傷のつきにくさ)を表すモース硬度で7を示し、水晶と同じくらいの硬さがあります。残念ながら、ダイヤモンド程の硬さはありません。
虫歯の治療を受けた事はありますか?
虫歯を削るドリルのようなものの先端には、医療用のダイヤモンドが使われています。つまり、ダイヤモンドくらいの硬さがある物でないと、歯を削る事はできないのです。
ちなみに、身体の中にある骨の硬度は同じモース硬度では4〜5程度。骨折よりも、歯を折る方が、大きな力が必要です。
歯の弱点
そんな自然界でも上位の硬さを持つ歯ですが、「酸」に非常に弱い、という弱点も持ち合わせています。ガラスよりも遥かに硬い性質を持つエナメル質ですが、酸性物質(酸っぱいもの、炭酸飲料等)に触れると簡単にその構造がゆるみ、柔らかくなってしまいます。この状態が長く続くと、構造自体が崩壊してしまうのです。これがいわゆる「虫歯」です。
虫歯菌が酸を作る
「虫歯菌」として有名なミュータンス菌は砂糖などの糖類を原料に「酸」を作り出します。虫歯菌が歯を直接食べているわけではなく、虫歯菌が砂糖を食べて作り出した「酸」によって歯が溶かされているのですね。いくら持って生まれた歯が丈夫だったとしても、食生活や歯ブラシのでき具合で人間の歯は簡単に虫歯になります。ちゃんと歯磨きできていますか?