「いびき」の原因は、肥満であることが多いです。実際、いびきに悩まされている方は、のどの周囲や舌に多くの脂肪が形成されて、気道を塞ぎやすくなっています。ただ、それ以外にもいびきの原因はいくつか存在しています。そのうちのひとつが「歯並び」です。
▼顎の骨が小さいといびきをかきやすい
悪い歯並びが直接、いびきの原因となることはほとんどありません。出っ歯や乱ぐい歯といった歯並びが気道の閉塞に関与するわけではないからです。ただ、そうした歯列不正の根本的な原因となっている「顎の劣成長」は、いびきを引き起こしやすいといえます。
というのも顎の骨が小さいと、歯並びが悪くなるだけでなく、舌が後方へと下がりやすく、舌根沈下(ぜっこんちんか)を招くことが多いからです。舌根沈下は、まさにいびきの直接的な原因となります。
▼顎の骨の発達は矯正で改善できます
発育期に受ける小児矯正であれば、顎の骨の発達を正常に促すことができます。これは小児矯正ならではのメリットといえるでしょう。子どもの矯正治療が強く推奨される理由のひとつでもあります。大人になってから骨格的な異常を改善するとなると、顎の骨を切除する外科矯正などが必要となります。
▼いびきと睡眠時無呼吸症候群の関係
就寝中にいびきをかいている人は、睡眠時無呼吸症候群にご注意ください。舌根沈下などによって気道が閉塞し、一時的な無呼吸が生じる病気です。そんな睡眠時無呼吸症候群の治療は、歯科でも受けることができます。睡眠中に「スリーブスプリント」と呼ばれるマウスピース型の装置を装着することで、下顎の位置が改善され、舌根沈下が起こりにくくなります。その結果、いびきや無呼吸も解消されます。
▼まとめ
このように、歯や歯並びといびきとは、間接的な関係が認められますので、普段からいびきに悩まされていると同時に、歯並びの乱れも気になっているという方は、お気軽に当院までご相談ください。まずは精密に検査いたします。