日本では昔から「8020運動」が推進されています。おそらく、この名前を聞いたことがない人はいらっしゃらないことでしょう。ただ、8020運動の詳しい内容やお口の健康との関係については、よく知らない方も多いことでしょう。
▼80歳まで20本の歯を残す運動
8020運動は、文字通り80歳になった時にご自身の歯が20本以上残っている状態を目指すための運動です。一般の人からすると「20本」という数字が多いのか、少ないのかもわかりにくいかと思います。
◎永久歯は全部で28本生えてくる
大人の歯である永久歯は、親知らずを除くと全部で28本生えてきます。このうちの20本を80歳まで残せば良いので、一見すると簡単そうに思えますよね。けれども実際はそうではありません。
▼8020運動の達成者は50%程度
昨今は予防の概念も広がったこともあり、8020を達成する人が50%を少し超えるようになりました。これはとても素晴らしいことなのですが、アメリカやヨーロッパと比較すると、まだまだ少ない数字となっています。口腔ケアの先進国では、80~90%近い人が80歳で20本以上の歯を残せているからです。
▼歯が20本残っていることのメリット
8020運動の「20」という数字には、きちんとした根拠があります。それは「20本の歯があれば、大抵のものを問題なくそしゃくできる」というものです。もうすでに残存歯が20本以下になっている人は入れ歯を装着しているかと思いますが、毎日の食事に大きな制限がかかっていることでしょう。とくに噛み応えのあるものは滅多に口にすることができないことかと思います。歯が20本以上残っているということは、それくらい重要なことなのです。
▼まとめ
このように、8020運動を達成することは、ご自身のお口の健康維持・増進において、とても重要な意味を持ちます。若い時から定期検診やメンテナンスを受け、虫歯・歯周病の予防に努めることで、8020運動の達成も難しくはなくなりますよ。皆さんもぜひ予防に努めて、80歳になっても好きなものを好きなだけ食べられる状態を維持してください。