歯の表面に形成される汚れとしてはプラークである歯垢と歯石の2つが挙げられます。字面が似ているので、この2つを混同している方もいらっしゃいますが、実際は大きな違いがあります。
▼歯垢は細菌と糖タンパクの塊です
歯垢は、とても軟らかく、歯ブラシによるブラッシングで容易に落とせます。その大半は水分で構成されており、さらに細菌や糖タンパクが含まれます。シンプルにいうと、歯垢は細菌の塊なので、歯にとって有害でしかありません。
◎歯垢は食後数時間で形成されます
歯垢の厄介なところは、形成する速度が速い点です。食事をしてから数時間後には、歯の表面に白い垢のような物質が作られてしまいます。そこには無数の細菌が繁殖し、歯を溶かす酸を作り出している点に注意しましょう。
◎1日1回はプラークフリーな状態を作ることが大切
歯の表面のプラークは、歯ブラシによるブラッシングだけできれいに落とせますが、歯と歯の間のプラークは、デンタルフロスや歯間ブラシでなければ除去できます。毎回の歯磨きのでそれらの器具を使うのは大半かと思いますので、夜眠る前に1回、プラークフリー名状態を作るためにも、補助的清掃器具を併用しましょう。
▼歯石は歯垢が石灰化した物質です
歯石は、歯垢が唾液による石灰化作用を受けて、石のように硬くなった物質です。歯ブラシによるブラッシングでは取り除けないので、歯科医院のクリーニングを受けましょう。とくにスケーリングと呼ばれる歯石を除去するための処置であれば、安全かつ効率良く、石のように硬い歯石を取り除けます。
▼歯垢は2~3日で歯石へと変化します
歯石が形成されるまでの時間は比較的遅いですが、歯垢が形成されてから2~3日で石灰化が進行する人も珍しくありません。ですから、歯石の形成を防止するという観点からも、1日1回プラークフリー名な状態を作ることは重要といえます。
▼まとめ
このように、歯垢と歯石には明確な違いがあります。その違いを理解した上で、適切な口腔ケアに努めましょう。