普段、毎日使っている物のお手入れは、人によって大きく差が開きます。例えば、トイレ掃除を毎日行う人もいれれば、1週間に1回だけ行う人もいます。その違いによって重大なトラブルが発生するわけではないので、特に問題にはなりませんが、人工の臓器ともいえる義歯（入れ歯）となると話は変わります。なぜなら、入れ歯のお手入れ方法を誤ると、お口の中に深刻な異常をもたらしかねないからです。ここではそんな入れ歯の正しいお手入れ方法についてわかりやすく解説します。
▼入れ歯のお手入れ方法
◎入れ歯は毎日洗う
入れ歯の洗浄は、毎日行うようにしてください。厳密には、食事をするたびに洗浄しましょう。入れ歯は食べかすなどが残留しやすく、そのまま放置すると口腔衛生状態を低下させます。
◎入れ歯専用のブラシで磨く
入れ歯を磨く際には、入れ歯の専用の「義歯ブラシ」を使いましょう。入れ歯はとてもデリケートな装置なので、普通の歯ブラシでゴシゴシと磨くと細かい傷が付いてしまいます。入れ歯の表面が傷だらけになると、汚れが付着しやすくなり、衛生面が低下します。研磨剤が含まれた歯磨き粉の使用も控えてください。基本的には何も付けず、水洗いで結構です。
◎洗浄に熱湯は使わない
洗浄の際に熱湯を用いることで、煮沸消毒できそうなものですが、入れ歯の変形・変質につながるため、絶対に避けるようにしてください。入れ歯の大半は熱によって溶けやすいレジン（プラスチック）で作られています。
◎1日1回入れ歯洗浄剤を使う
入れ歯に付着した汚れは、義歯ブラシによる物理的清掃だけでは十分に除去できません。1日1回は化学的洗浄である「入れ歯洗浄剤」を使用しましょう。
▼まとめ
このように、入れ歯のお手入れ方法にはいくつか注意点があります。適切な方法でケアしないと、入れ歯の寿命が縮まるだけでなく、お口への適合性が低下することで、歯茎や顎の骨にさまざまな異常をもたらすことがありますので十分注意しましょう。当院までご相談いただければ、入れ歯のお手入れ方法についてさらに詳しくご説明します。