「前歯のガタガタが気になる」6歳の女の子|“あごを育てる”小児矯正(マイオブレース)の症例

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「前歯のガタガタが気になる」6歳の女の子|“あごを育てる”小児矯正(マイオブレース)の症例

  • 治療について

6歳の女の子の保護者の方から「前歯のガタガタが気になる」とご相談をいただきました。かかりつけの歯科で「矯正の専門で診てもらったほうがいい」と言われ、当院へお越しくださいました。

初診時のお口の状態

マイオブレース小児矯正の術前の正面観

マイオブレース小児矯正の術前の上顎

マイオブレース小児矯正の術前の下顎

  • 永久歯がきれいに並ぶためのあごの成長が十分でなく、上あごの幅がやや狭い状態でした
  • 下の前歯にもガタつきが出はじめ、噛み合わせが深すぎる【過蓋咬合(かがいこうごう)】の傾向がみられました
  • 普段からお口がぽかんと開き、鼻ではなく口で呼吸する【口呼吸(こうこきゅう)】の癖がありました
  • 飲み込むときに唇やあご・顔まわりの筋肉に強い力が入り、舌が本来の位置にうまく上がらない状態でした
  • 夜間の歯ぎしり(ブラキシズム)もみられ、あごの筋肉のバランスに影響していました

 

歯並びの乱れは「歯」だけの問題ではなく、毎日の呼吸・舌の位置・飲み込み方・夜間の筋肉の使い方など、無意識の癖に大きく影響されます。このまま成長すると、歯並びのガタつきの悪化・前歯の突出(上顎前突)・下あごの成長バランスの乱れ・お顔つきの変化・顎関節への負担などにつながる可能性がありました。

 

なぜ歯並びが悪くなるのか
「歯」ではなく「お口の癖」

永久歯がきれいに並ぶには“あごの成長”が必要で、その成長には毎日無意識に行っているお口の癖が深く関わっています。

お口がぽかんとひらいている状態

姿勢が悪い状態

  • いつもお口が開いている(口呼吸)
  • 舌が上あごについていない(低位舌)
  • 飲み込むときに唇やあごに力が入る/舌を前に押し出して飲み込む
  • 頬杖や猫背などの姿勢の癖
  • 夜間の歯ぎしり

 

本来、舌は上あごに軽くついていることで上あごの成長を助け、歯が並ぶスペースを作る“見えない矯正装置”のような役割を果たしています。ところが舌が下に下がったままの【低位舌(ていいぜつ)】になると、上あごが横に十分育たず、歯の並ぶスペースが足りなくなります。今回のお子さんも、口呼吸・低位舌・飲み込みの癖・歯ぎしりが重なって、あごの成長と歯並びに影響していました。

お口の癖は、なぜ起こるのか

お口の癖は、お子さんが「わざと」しているわけではありません。現代の生活環境や食習慣の変化で、お口まわりの筋肉が正しく使いにくくなっていることが大きな要因です。原因は大きく2つに分けられます。

 

① からだの発達によるもの

 

  • お口まわりの筋力不足:柔らかい食べ物が増え、あまり噛まずに飲み込める食生活では、お口を閉じる筋肉が育ちにくく、「お口ぽかん(口呼吸)」になりやすくなります
  • 舌の筋肉の未発達:舌の力が弱いと低位舌になり、歯を内側から支える力が不足します
  • 鼻づまり:アレルギー性鼻炎などで鼻呼吸が難しいと、口呼吸が習慣になり、舌が下がってお顔やあごの成長バランスに影響します

 

② 環境・生活習慣によるもの

 

  • 離乳食や授乳の影響:お口をしっかり使う経験が少ないと、唇や舌の正しい動きが育ちにくくなります
  • 長期間の指しゃぶり・おしゃぶり:2歳以降も続くと、前歯が噛み合わない「開咬」や前歯が出る「上顎前突(出っ歯)」につながることがあります
  • 食事中の姿勢:足が床につかないと体幹が安定せず、正しい噛み方・飲み込みがしづらくなります。

「一見きれい」でも油断できない 
当院だからできる“見極め”

これらの原因は、ご家庭で見ても気づきにくいものです。乳歯がきれいに並んでいても、実は永久歯の生えるスペースが足りないサインのことがあり、保護者の方が見た目だけで判断するのは難しいのが実際です。

 

当院には日本小児歯科学会が認定する小児歯科専門医が在籍しています。矯正の知識だけでなく、お子さんの“発育”まで踏まえて診られる体制があるため、「今は問題がなくても、この先どう変化しそうか」まで含めた見極めができます。気になることが少しでもあれば、早めにご相談ください。

 

どのように治したか 
マイオブレースで“あごを育てる”

上あごの成長が活発な時期で、ご相談のタイミングが非常に良い症例でした。

当院では、こうしたお口の癖が原因の歯並びにはマイオブレースによる治療が有効だと考えています。

マイオブレースの概要

 

マイオブレースは、「Myo(マイオ=筋肉)」と「Brace(ブレース=矯正装置)」を合わせた名前で、筋肉のバランスを整えることで自然に歯並びを導くマウスピース型の装置です。歯を強い力で動かすのではなく、呼吸・舌・飲み込み・唇と頬の4つのトレーニングを通じて、お子さん自身の成長する力を活かします。無理に動かさないため、痛みが少ないのも特徴です。

 

  • 混合歯列期用の装置「K1」からスタートし、永久歯への生え変わりに合わせて「T1」へ変更しました
  • ※検査で下の奥歯の永久歯がもともとないことがわかりました。その点を保護者の方にご説明し、乳歯を活かして歯並びを整える方針としました

 

マイオブレースは、装置をつけるだけでなく毎日のトレーニングの習慣化が大切です。当院では、経験豊富なトレーナーが装着やトレーニングの定着まで、お子さんと保護者の方に並走して支援します。親子で一緒に取り組む“育てる矯正”です。

 

治療の経過

時期

経過

開始3ヶ月

就寝時の装置が朝まで外れず入っているように

約2年

筋機能トレーニング(アクティビティ)を修了。本人のモチベーションが高く順調

約3年

永久歯への交換が進み、装置を T1 へ変更

約6年・小学6年生

永久歯にすべて生え変わり、治療終了

 

口呼吸は花粉症もあり改善に時間がかかりましたが、トレーニングを続けるうちに普段からお口を閉じられるようになりました。お口まわりの筋肉の緊張もやわらぎ、当初みられたガミースマイル(笑うと歯ぐきが目立つ状態)の傾向も改善。笑顔も柔らかく変化しました。

 

成長期に取り組む意味
お口の機能は将来にもつながります

マイオブレースは歯並びだけでなく、その土台となるお口の機能を整える治療です。お口の機能が整うことで、次のような良い変化も期待できると考えられています。

 

  • 鼻呼吸の習慣が身につくと、夜間のいびきや歯ぎしりがやわらぎ、睡眠の質にも良い影響が期待できます。舌の位置や口唇の閉じ方が整うことで、夜間の歯ぎしりの負担が軽くなることもあります
  • 呼吸や舌・姿勢の大切さは、学習やスポーツの分野などでも近年注目されており、お口の機能は全身の健康とも関わると考えられています
  • 子どもの頃に整えた「呼吸・舌・飲み込み」の力は、将来の「食べる・話す・眠る」といった力の土台にもつながります

当院(タケノコ歯科・矯正歯科)だからできること

マイオブレースは、装置の特徴だけでなく、原因(お口の癖)そのものにアプローチするため「後戻りしにくい矯正」と言われています。このお子さんの治療では、当院の体制が活きました。

 

  • 的確な診断 … 矯正の認定医と小児歯科専門医の両方の視点で、お子さんの発育まで踏まえて治療計画を立てられます
  • 親子への並走 … 経験豊富なトレーナーが、毎日のトレーニングの習慣化まで一緒に取り組みます
  • 歯を抜かずに、将来を見据えた計画 … 成長する力を活かすことで、このお子さんは歯を抜かずに進められました。大人になってからの本格矯正(二期矯正)が必要になりにくい計画を目指せます(必要かどうかは一人ひとりの状態によります)

 

また、当院は矯正に対応できるドクターが毎日おり、通いやすい体制を整えています。お子さんの成長全体を見ながら、歯並びだけでなく、健康で自然な笑顔につながる治療を目指しています。

 

この記事に使われている歯科用語

用語

ふりがな

意味

過蓋咬合

かがいこうごう

噛み合わせが深すぎて、下の前歯が隠れてしまう状態

上顎前突

じょうがくぜんとつ

いわゆる「出っ歯」。上の前歯が前に出ている状態

開咬

かいこう

奥歯を噛んでも前歯が噛み合わず開いてしまう状態

ガミースマイル

笑ったときに歯ぐきが目立つ状態

低位舌

ていいぜつ

舌が本来の位置(上あご)より下がっている状態

マイオブレース

お口の筋肉と癖を整え、成長の力で歯並びを導くマウスピース型の装置

混合歯列期

こんごうしれつき

乳歯と永久歯が混ざって生えている時期

よくあるご質問(FAQ)

  • Q. 痛くないですか?
    A. 強い力で歯を動かすのではなく、成長する力とお口のトレーニングを使うため、一般に痛みは少ない方法です。このお子さんも、痛みで治療を中断することはありませんでした。
  • Q. 1日どのくらい使うのですか?
    A. 日中1〜2時間と就寝時の装着に加え、ご家庭での簡単なトレーニングを行います。トレーニングの習慣化は、当院のトレーナーが一緒にサポートします。
  • Q. 治療期間はどのくらいですか?
    A. このお子さんは6歳で始め、永久歯に生え変わる小学6年生まで、約6年かけて経過を見ながら進めました。期間はお口の状態や成長によって異なります。
  • Q. 何歳から始められますか?
    A. 一般に5〜12歳ごろの成長期が適しています。口呼吸・お口ぽかん・舌の癖などがある場合は、早めのご相談をおすすめします。
  • Q. 歯を抜く必要はありますか?
    A. このお子さんは歯を抜かずに進めました。抜歯が必要かどうかは、一人ひとりのお口の状態によります。

 

〈当症例の詳細〉

項目

詳細

主訴

前歯のガタガタ

年齢・性別

6歳・女児(終了時 小学6年生)

診断

叢生・過蓋咬合傾向・上顎前突傾向・ガミースマイル傾向

使用装置

マイオブレース K1 → T1

治療期間

約6年

特記事項

下顎の永久歯1本(下顎左右5番)が先天欠如 → 乳歯を活用して整える方針

治療前

マイオブレース小児矯正の術前の正面観

費用(税込総額)

総額:545,480円

矯正治療費:432,000円 

検査代:32,400円 

再診料:2,160円×8回(すべて価格改定前)

再診料:2,200円×29回(価格改定後)

リスク・副作用

装着時間は日中2時間と就寝時、毎日のトレーニングが必要です。

そのため、ご本人と親御さんの協力が必要になってきます。

協力を得られるかどうか相談時やスタート時にお話させていただきますが、得られなかった場合は効果が限定的になることがあります。

装着時にお話やもぐもぐ動かすことをした場合も効果が出ません。

基本的にはお口を閉じて装着をお願いします。

まれに歯が痛むことがありますが歯がきれいに動いているための痛みになります。

多少の痛みの為そのまま使用してください。

痛みには個人差があり全く痛みを感じないこともあります。

また、口内炎ができたり頬、歯茎に痛みができることもあります。

マイオブレ-スが当たっているため来院いただき調整が必要になります。

口腔内を確認しこちらでマイオブレースの装着のお休みを指示することもあります。

トレーニングをすることによって口腔周囲筋を鍛えるため、従来の矯正治療より後戻りがしにくいです。

しかし、開始年齢や協力度によって効果に個人差があります。

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