虫歯は、歯に虫歯菌が感染して発症する病気である、その症状も基本的には歯にとどまります。歯に穴が開き、その範囲が広く、深くなると強い歯痛を伴うようになるのです。ただ、虫歯の進行度やそれぞれの体質によっては、頭痛を伴うこともあり得ます。今回はそんな虫歯と頭痛の関係性についてわかりやすく解説します。
▼虫歯が頭痛の直接的な原因になることはない
虫歯の主症状のひとつとして、頭痛が現れることはまずありません。虫歯はあくまで口腔疾患であり、頭痛を直接的に引き起こすような要素は存在していないからです。とはいえ、虫歯の影響で頭痛に悩まされている方は実際に存在します。
▼上顎洞炎に要注意
上の奥歯の虫歯が重症化すると、上顎洞炎(じょうがくどうえん)という病気を引き起こすことがあります。これは上顎のすぐ上にある大きな空洞で、そこで細菌感染および炎症反応が起こると、すぐ近くにある脳神経にまで刺激が伝わることがあります。その結果、頭痛が生じます。
▼脳炎のリスクもゼロではない
虫歯による感染が広範囲に波及し、脳炎を引き起こすリスクも決してゼロではありません。感染性脳炎は非常に重篤な病気であり、頭痛だけでなく、意識障害やけいれん、麻痺なども引き起こします。そこまで虫歯を放置するケースは極めて稀といえます。
▼歯痛を頭痛と勘違いすることもある?
痛みの発生部位というのは、なかなか正確には把握できないものです。また、歯は頭とも近い位置にあるため、歯痛を頭痛と勘違いしてしまうことも珍しくないのです。実際、虫歯治療を行ったら、歯痛はもちろん、頭痛もきれいに取り除かれるケースは多々あります。
▼まとめ
このように、虫歯と頭痛に直接的な因果関係は認められませんが、間接的にはつながりがあります。とくに虫歯を長年放置している場合は、十分に注意しましょう。細菌感染が歯以外の部位にまで広がっている可能性があります。いずれにせよ、虫歯を自覚した時点で歯科を受診することが望ましいです。